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模倣犯
 宮部 みゆき

長い文章。ハードカバーで???ページ、2冊分。長い。確かに長い。でも、ここまで書きたいこと、いや書かなければ表現できないことが多々あったのだろう。登場人物の多さにも比例するが、出てくる人物すべてに細かい心情の移り変わりを記している。それにはこのページ数が必要なのだ。実際はページ数云々ではないのは当たり前だけど、うまく伝えるべき物差しが自分には無いもので。でも、いちばん言いたい事はなんだろう?1人でない犯人のために、巻き込まれた人々のためにこの話は長くなる。人の闇にあるものを現したいのなら、それにピントを当ててほしかった。

事件に関わるということ。自分たちが遭遇してきていないからこそ、どこか忘れがちなその犯罪に関わる人物達の心情。犯罪者ばかりがクローズアップされ、被害者の家族には何も無いのか?人権は加害者のみにあるのか?今の自分には何もわからない。何も言えない。ただ、犯罪を犯すことの背景が何であれ、許すことはできない。それを生む原因が家庭にあったとしても。許されないだろうと思う。

でも、突如として人生の舵を自分で切ることなく、どうしようもない方向に勝手に曲げられてしまう危険が潜んでいるということ。それは確かだ。その時、自分にはどれくらいそれを受け入れことができるのだろうか?気が狂うのだろうか?毅然と振舞えるのだろうか?行き着くところは全部自分中心の自分を守りたいという世界だ。こんな自分に、他人を思いやれる度量があるのだろうか??


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